キャンピングカーという夢よさらば
景気の悪化で先の見通しが暗いことから、経営していた極小会社を黒字のうちにと、57歳であきらめ、無念のうちに売却したあとは、グレて世の中に背を向けて、キャンピングカーを買って、釣り三昧のはずだった。そこに、奥さんが一言・・・そんなキャンピングカーに大金かけるのと・・・3400CCでガソリンがぶ飲みで燃費の悪い今のワンボックス中古釣り車で我慢して、そのかわり、お金に余裕のあるリタイア生活・・・どっちが良いのよ???。
数十年の歳月、あんなにあどけなく可愛かった18歳のころとは比べようも無いほど、恐ろしいことを平気で言うおばさんに成長してしまった奥さんの言葉は重すぎる・・・長年の夢を一瞬でブチコワシテしまうパワーがある。
結局、わずかな大金?小金?を見せられて、本屋に並ぶたびに買い込んで何度も眺めていた、段ボール数箱分にもなるキャンピングカー雑誌を、後ろ髪引かれる思いで処分して、夢にまで見た、キャンピングカーでいつか北海道を釣り歩くという構想はあっけなく消え去ったのでした。
若い頃、夢というのは実現が難しそうでも完全に不可能ということはなかった。常に可能性を追い求めることのできる希望があった。しかし、この年になると、今だめなものは、もう可能性はゼロになる。
この先、老いとの競争の中で、釣りにしても何にしても、やりたいことがあるのなら、いつかのあのドラマの台詞のように「やるなら今しかねぇ」・・・そういう年齢になってしまっている。
幸せを願いながら、そうはならない人生は多い
鞄を持った女のブルース
1961年イタリア
脚本 : レオ・ベンヴェヌーティ、エンリーコ・メディオーリ、ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ、ヴァレリオ・ズルリーニ
監督 : ヴァレリオ・ズルリーニ
撮影 : ティノ・サントーニ
音楽 : マリオ・ナシムベーネ
by boss2010
| 2010-01-23 10:42
| That's life.